CORY's twilight zone > 98備忘録 (tips)[an error occurred while processing this directive] > kemacs のインストール
日本語対応エディタは様々あれど、筆者はかれこれ十数年、いつでも軽快に起動し気軽に使える kemacs を愛用しています。
1987年に Daniel M. Lawrence 氏により開発された MicroEMACS 3.8 をもとに SANETO Takanori氏らにより日本語化され、1993年以降は奈良女子大学の新出氏により移植・改良が続けられており、ありがたいことに、今でもこうして使うことができています。
パッチがよく出来ているので、入手さえできれば後は特に困ることはないのですが、情報が限られており、packages も無いことから、ここでは、筆者が 2010年 1月に FreeBSD へインストールした際の記録を備忘録として残しておきます。ご入用の方は参考にしていただき、自己責任で(当たり前ですが)ご利用ください。
なお、ここでは FreeBSD/pc98 8.0-RELEASE と Mac OS X 10.4.11 (PowerPC) での例を挙げていますが、それ以前の系列や i386 などでもおそらく同様になるでしょう。
◆ ソースコードとパッチを入手する ◆ FreeBSD で make install ◆ Mac OS X 10.4 で make install ■ 謝辞
筆者は以前から持っている tarball を使いましたが、新たに入手する場合、一次配布は終了していますので、ネットワーク上を探し回ることになります。2010年1月時点で、下記の場所から取得できました。
これに、新出@奈良女子大学さんが開発・提供されている移植パッチを適用します。
本稿を書いた時点で、上記ホームページのリンク先は切れており、かわりに ftp://hayabusa.ics.nara-wu.ac.jp/pub/nide/misc/ にて最新の kemacs-2.1k.nide-patch14.tgz(2009年06月21日付け)が掲載されていました。
以下、fetch の [メールアドレス]の部分には、自分のメールアドレスの @ を %40 に変えて入れます(例:hoge@example.com → hoge%40example.com)。
% fetch ftp://ftp:[メールアドレス]@hayabusa.ics.nara-wu.ac.jp/pub/nide/misc/orig_dist/kemacs-2.1k.tar.bz2 % fetch ftp://ftp:[メールアドレス]@hayabusa.ics.nara-wu.ac.jp/pub/nide/misc/kemacs-2.1k.nide-patch14.tgz
もちろん、ftp で入っても大丈夫です。
% ftp hayabusa.ics.nara-wu.ac.jp Name (hayabusa.ics.nara-wu.ac.jp:nobody): ftp 331 Guest login ok, send your complete e-mail address as password. Password: [メールアドレス] ... 230 Guest login ok, access restrictions apply. ftp> cd /pub/nide/misc/orig_dist/ ftp> get kemacs-2.1k.tar.bz2 ftp> cd .. ftp> get kemacs-2.1k.nide-patch14.tgz ftp> bye 221 Goodbye.
こちらは至って簡単です。 なお、パッチは現在のディレクトリに展開されるので、予めディレクトリを作って移動しておくと良いでしょう。
% mkdir nide-patch14 % cd nide-patch14 % tar xjf ../kemacs-2.1k.tar.bz2 % tar xzf ../kemacs-2.1k.nide-patch14.tgz % jless 00Readme.doc # 添付ファイルを読みましょう。ひととおり説明があります。 % cd kemacs-2.1k % jless Install # こちらは kemacs-2.1k の方。日本語です。 % patch -p1 < ../kemacs-2.1k_patch1.unofficial % ee econfig.h # 必要に応じ、初期設定を変えます。 % make # make install
以上。 あとは /usr/local/bin に path が通っていれば、一度 rehash してから kemacs と打てば、さくっと起動するでしょう。
Mac OS X 10.4.11 (PowerPC) でも試してみました。Mac OS X 用のパッチが一緒に提供されていますので、それを適用します。
% mkdir nide-patch14 % cd nide-patch14 % tar xjf ../kemacs-2.1k.tar.bz2 % tar xzf ../kemacs-2.1k.nide-patch14.tgz % jless 00Readme.doc # 「2.3 CygwinまたはMac OS Xでご利用の場合」の部分を読みましょう。 % ls 00Readme.doc kemacs-2.1k_patch2.linux cygwin_fix.sh kemacs-2.1k_patch2a.cygwin kemacs-2.1k.tar.bz2 kemacs-2.1k_patch2b.macosx kemacs-2.1k_patch1.unofficial macosx_fix.sh % ./macosx_fix.sh ... Done. Change directory to kemacs-2.1k, and type `make'. % cd kemacs-2.1k % vi econfig.h # 必要に応じ、初期設定を変えます。 % make % sudo make install
以上。
なお、Mac OS X では規定の文字コードが UTF-8 に設定されます(変えることもできます)。 ただし、パッチの説明書にも書かれていますが、kemacs の UTF-8 対応はあくまで既存JISコード文字のみの部分的な対応になっていますので(内部処理が JIS に基づいているので、それ以外の文字コードは処理できない)、第三水準以降の新たに追加された文字や諸外国の文字は扱えません。
インストール時に設定をしていれば特に問題ないと思いますが、文字コードやキー割り当てなどは個人別設定ファイルに書くこともできます。
% kemacs ~/.kemacsrc
参考までに、SJIS使いの筆者は次のように設定しています。
set $fcode SJIS set $tcode SJIS set $bcode SJIS set newline-and-indent 0
詳しくは、/usr/local/lib/kemacs/ 以下にインストールされる各種文書を読みましょう。日本語もありますし、キーバインドの解説もありますので、忘れたときは参考になります。
kemacs の開発された諸氏、および有用なパッチを作成・提供されている奈良女子大学の新出氏に御礼申し上げます。
更新日 : 2010年01月12日 (2399)
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